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描画動作からアルツハイマー型認知症を早期に検出?簡便で高精度な認知機能障害診断支援ツールを開発?

研究イメージ画像 (Image by fizkes/Shutterstock)

 アルツハイマー型認知症 (dementia of Alzheimer type: DAT)の予防および治療は、軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI)を含む早期段階から開始することが重要です。しかしながら、早期段階での診断法は確立していない上、現在行われている検査法は高価であるか身体的侵襲性が高く、一般的ではありません。そのため、認知機能障害を早期に検出するための安価で簡便なツールが求められています。


 本研究では、タブレット端末で文字や図形を描画するタスクを複数行うことで認知機能障害の診断を支援できるツールを開発しました。健常例、MCI例、DAT例の3群から、文章を書く、図形を模写するなどの5つのタスク中の描画データを収集し解析を行ったところ、健常群に比べて、描画速度の滑らかさの低下、静止時間の増大、筆圧のばらつきの増大といった複数の変化が、MCI、DATの順で段階的に観察されました。さらに、AI技術を用いて診断推定精度を検証した結果、5つのタスクのデータを組み合わせて解析することで、単一のタスクより7.8%の精度向上を達成し、MCIを83%、DATを97%の精度で検出できることを示しました。


 本研究成果は、描画動作という単一の動作の中でタスクを組み合わせることで、記憶や注意、実行機能などの複数の認知機能に関して捉え、それによりMCIとDATの検出精度が向上することを、世界で初めて示しました。この方法は、認知機能障害の早期検出法として他の疾患への適用や、認知症の進行度や介入効果の定量化への応用などの可能性が期待されます。


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研究代表者

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新井 哲明 教授

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